「飲み方で大きく変わる」お酒(アルコール)が与える精力へのプラスとマイナス!
お酒の力を借りて性行為を楽しめたり、逆にお酒が原因で性行為で苦い思い(中折れなど)をしたり、男にとってお酒と性の関係はかなり深い存在です。
多くの人は「お酒は性欲を高め、ムラムラさせてくれるアイテム」と認識していると思いますが、場合によっては我々男性の能力を蝕む毒となる可能性も秘めているわけです。
さて、アナタにとってお酒(アルコール)は毒か?薬か?
それはお酒の「習慣」「量」「種類」がポイントとなり変化していきます。つまり、飲み方によってはプラスにもなるし、マイナスにもなるのです。
プラスからマイナスへ変化するターニングポイントをしっかり抑えて、Win-Winな関係でお酒と付き合っていきましょう。
適度な飲酒はむしろ精力増強にプラス
ホロ酔い加減で飲むお酒は精力や性欲にとってプラスに働きます。
お酒を飲んで性欲が増した経験がある人も少なくないと思いますが、あれは気せいではなく医学的にも証明されているお酒の働きなんです。
他にも適度な飲酒が与えてくれるヘッドの上で発揮してくれるプラス要素はいくつかあるので、頭の片隅にいれておきましょう。
また、適度な飲酒や飲み過ぎなどの判断は下記で紹介しているので、お酒のメリットとデメリットを読み飛ばして早く見たい人はスクロールしてください。
脳のブレーキ役が麻痺が性欲が高まる
性欲や精力は脳から誕生し、身体に伝わっていきます。そんな性的興奮の要である脳は大きく「新皮質」と「旧皮質」の2つに別れます。
簡単に2つの役割を別けると「理性」と「本能」になります。
- 旧皮質=本能
- 新皮質=理性
脳と性欲については精力(性的興奮)の仕組みから読み解く「男の性欲が低下する原因」のページで詳しく説明してます。
お酒を飲むと脳が麻痺し「酔う」状態になるわけですが、新皮質→旧皮質の順に脳の機能は麻痺していきます。ちなみに、お酒と性欲が深く関係している理由はこの麻痺する順序にあります。
画像参考:血中アルコール濃度と酔いの症状|飲酒の基礎知識|お酒と健康|キリン
上記で簡単に説明したように新皮質は理性を司っている部分です。お酒を飲み始めてホロ酔いの状態というのは新皮質が少し麻痺し、旧皮質はまだ普通の状態になります。
つまり、本能的な部分は正常に作動しているけど、理性は少し麻痺しているという状態です。
このブレーキ役をしている新皮質が先に麻痺し、判断が甘くなることで、本能である性欲が全面に出てきやすくなるんです。これがお酒で性欲が高まりやすくなるカラクリと言ってもいいでしょう。
もちろん、飲み続けると旧皮質まで麻痺することになり、本能も正常に働かなくなります。だからこそ、適量(少量)のお酒が精力アップに繋がるわけです。
飲酒による性欲アップはドーパミンのおかげ
お酒を飲んで性欲が高まるのは、アルコールが脳を刺激してドーパミンを分泌させてくれるからです。基本的にドーパミンが増えると人間は満足感を得て幸せな気分になるのですが、衝動的(本能的)な部分も高まります。
この衝動的な部分が「性的な欲求」であり、性欲が高まる核となります。
また、飲酒前は理性で抑えていたものが、ドーパミンが増えることで緩まっていき結果的に性欲を高めるんです。
これは極端な話になりますが、ドーパミン不足することで発症するパーキンソン病の治療薬には衝動制御障害という副作用があります。仕組みとして脳内のドーパミンを増やすための治療薬なので、パーキンソン病患者を介護する中では性的衝動制御によるアクシデントが少なくないようです。
お酒はパーキンソン病の治療薬ほど急激にドーパミンを増やすわけではないので心配ありませんが、この一連の仕組みがあるからお酒で性欲がアップするわけです。
適量のアルコールは男性ホルモンを増加させる
基本的に男性ホルモンに関してアルコールはマイナスな存在で知られていますが、少量(適量)ならむしろプラスに働くという研究報告があります。
アルコール(0.5g / kg、10%w / v)の摂取後、血漿テストステロンの急激な増加(13.5±1.2nmol / Lから16.0±1.6nmol / L、平均+/- SEM; pアンドロステンジオンの減少(5.1±0.4nmol /リットルから4.0±0.3nmol /リットル; p <0.05)、およびテストステロン:アンドロステンジオン比の増加(2.8±0.3から4.2±0.4; p <0.01)が観察された。
※英文をGoogle翻訳しています。
Testosterone increases in men after a low dose of alcohol. – PubMed – NCBI
簡単に要約すると、「アルコール摂取後にテストステロン(男性ホルモン)を測ると約18%増えていた」という内容。この実験時のアルコール摂取量が70kgの人で中瓶ビールを約2本と少し飲んだくらいに匹敵します。
つまり、瓶ビール2本くらいの飲酒だと男性ホルモンは増えて性欲や精力にプラスに働いているというわけですね。
また、同じような内容で女性を対象にした研究でもテストステロンが増えたという結果が報告されています。
閉経前女性のアンドロゲンに対するアルコールの急性効果。|Acute effect of alcohol on androgens in premenopausal women. – PubMed – NCBI ※この研究報告も英文です。
アルコールは摂取量さえ操作すれば精力増強に役立つプラス要素なんです。まぁ、その適量を飲むという操作がとても難しいわけですが…
慢性&大量の飲酒は精力減退させるマイナス要素
上記で説明した通り、適度な飲酒が性欲アップ・精力増強に効果的ということがわかったと思います。しかし、冒頭でも説明したとおり、お酒の飲む量や習慣によってはマイナスに働きます。
むしろ、マイナスに影響している人の方が多いのが現実です。
- 慢性的な飲酒習慣
- 大量の飲酒量
これらは精力減退の原因とも言えるほどにダメージが大きい要素です。
それでは、お酒(アルコール)がどのような理屈で精力減退をもたらしているのか、どのくらいのマイナスになっているのかを詳しく見ていきましょう。
大量飲酒は精巣を萎縮させ男性ホルモン低下に繋がる
まず、これは「お酒が精力減退」に関して言えば一番有名な話です。
お酒を飲みすぎると精巣(睾丸)が萎縮してしまい、釣られて男性ホルモンの分泌量が低下します。男性ホルモン(テストステロン)の90%は精巣で作られているので、その製造工場が小さくなるわけですから、当然分泌量も減り精力減退に繋がります。
これを確かめた研究報告もあり、アルコールと精巣障害はかなり深い関係にあるわけです。
もともと、アルコールによって精巣障害に関する報告は多くあって、それを確かめる為にラット(実験用のねずみ)を使って実験を行ったらやっぱり精巣が萎縮したという感じです。
また、アルコール濃度が精巣萎縮に重要なポイントということも報告されています。
具体的な濃度はわかりませんが、アセトアルデヒドという二日酔いをもたらす毒素が精巣を萎縮させる報告もあります。ということは、アセトアルデヒドが体内に多い状態の二日酔い程度の飲酒量がボーダーラインとも言えますね。
ビール党はさらに精力が奪われる
お酒好きに中でも「ビール党」と呼ばれるビールばかりを飲み続ける人は、さらに男性ホルモンを低下する可能性があります。
ビールの原料であるホップの中には「ナリンゲニン」と呼ばれる物質が多く含まれています。この物質は女性ホルモンと似たような働きをして、男性ホルモンの一種(5αリダクターゼ、DHT)を抑制することが研究で判明しています。
つまり、ビール党はアルコールによる精力減退だけでなく、「ナリンゲニン」によっても精力を奪われるハメになってしまうんです。
「駆けつけ一杯」「とりあえず、ビール」くらいの1~2杯なら問題ないようですが、腹がタプタプになるまでビールを飲み続けるのは避けましょう。
ちなみに、ナリンゲニンはグレープフルーツにも多く含まれているので、チューハイでもグレープフルーツは避けた方がいいですね。
「飲酒習慣→肥満」の定番コンボが男性ホルモンを低下させる
これはお酒が直接的に精力を奪っているわけではありませんが、肥満は男性ホルモンの分泌量が低下し精力を減退させます。
中年ともなると飲酒の習慣が引き金となって、肥満・メタボ体型に変化する人は多いでしょう。下っ腹だけ肉厚になって太っていくのは正にこのパターンです。
詳しくは「肥満が精力を低下させている!」で解説していますが、肥満度合いとテストステロン値の低下はかなり密接に関係していることが多くの研究報告で証明されています。
管理人の中に「肥満ほど絶倫」という法則があったのですが、見事に打ち砕かれたと言えるほど肥満とテストステロン値は反比例し、精力低下をもたらしているんです。
お酒嫌いのメタボなんて世の中にはたくさん存在していますが、厚生労働省が危険を促すほどアルコールとメタボは公式的な関係です。
コレに関しては、お酒の量よりもお酒の習慣が悪く定着している人の方が危険ですね。
肝臓へのダメージは精力へのダメージ
飲み過ぎで一番警戒される臓器といえば「肝臓機能」です。お酒好きに取ってγGTP(ガンマジーディーピー)という肝臓の健康状態を表す数値はともて大切です。
このγGTPが高い人は比例して性機能の低下が見られるという研究報告があります。
そもそも、肝臓機能が低下すると精神的・肉体的疲労が強くなるので、精力減退に繋がるのも不思議ではありません。
肝硬変の原因 | 割合 |
C型肝炎ウイルス | 70.00% |
B型肝炎ウイルス | 20.00% |
アルコール性 | 5% |
その他 | 5% |
ウイルス感染を除けば、お酒(アルコール)が肝硬変になる原因ナンバーワンです。
つまり、生活習慣の中でアルコールの摂取だけ気をつけておけば、かなりの予防になるわけです。
精力を守る正しいお酒の飲み方とルール
お酒は飲む量と飲酒習慣によって、精力に対して与える影響が違うことが理解できたかと思います。
それでは、具体的にどのくらいの飲酒量がOKで、どこからがNGなのか、そのボーダーラインや正しい飲み方について見ていきましょう。
また、その日の飲酒量だけでなく、飲酒習慣についても正しい習慣やポイントを紹介していきます。
飲酒量ボーダーラインは体重で変わる!
上記で紹介した適量のアルコールが男性ホルモンを増加させた研究報告を参考にすると、精力に対してプラスに働く飲酒量は「体重×0.5kg=適量アルコール(g)」になります。
自分の適量アルコールを求める計算方法が以下。
体重 | 適量アルコール量(g) |
50kg | 25g |
60kg | 30g |
70kg | 35g |
80kg | 40g |
90kg | 45g |
100kg | 50g |
このように体重が多ければ多いほど適量アルコール量は増えます。
これは体重によって血液量が違うからです。人間の血液量は体重の7%と言われていて、血中のアルコール濃度は血液量に対して変わってくるため、適量アルコールも体重によって微妙に変化するわけです。
お酒のアルコール量はグラム(g)で把握しておこう!
基本的にお酒は「アルコール度数:〇%」という表示なので、グラム表記だとイメージしずらいと思います。
お酒のアルコール量(%)をグラム(g)に変換する計算方法が以下。
- 公式
- 摂取量(ml)×アルコール度数(%)×0.8(比重)=純アルコール量(g)
- 例
- 350ml×0.05×0.8=14g
※缶ビール350ml(アルコール:5%)を1本飲んだの場合
計算方法としては単純な掛け算なので簡単だと思います。以下が管理人が作成したお酒の種類ごとのアルコール量。
お酒の種類 | 摂取量 | アルコール度数(%) | アルコール量(g) |
缶ビール | 350ml | 5% | 14g |
瓶ビール(中瓶) | 400ml | 5% | 16g |
缶ビール(ロング) | 500ml | 5% | 20g |
日本酒(1合) | 180ml | 15% | 21.6g |
日本酒(2合) | 360ml | 15% | 43.2g |
ワイン(グラス) | 120ml | 12% | 11.52g |
缶チューハイ | 350ml | 7% | 19.6g |
缶チューハイ(ロング) | 500ml | 7% | 28g |
焼酎(ロック) | 80ml | 25% | 16g |
焼酎(水割り) | 180ml | 15% | 21.6g |
ウイスキー(ロック) | 60ml | 40% | 19.2g |
ウイスキー(水割り) | 180ml | 10% | 14.4g |
ウイスキー(ハイボール) | 350ml | 8% | 22.4g |
お酒は種類によってアルコール濃度が違い飲み方が変わります。なので、それぞれ1杯あたりのアルコール量を把握して、自分の体重と照らし合わせて適量を算出しましょう。
適量を守れるなら休肝日は必要ない!
お酒を飲む人なら「休肝日」という言葉くらい聞いたことがあると思います。この休肝日は「1週間の間に1~2日間飲まない日を作る」ための習慣で、これによってアルコール習慣によるマイナスが軽減されるというものです。
色々な調査結果はありますが、1週間の総飲酒が日本酒にして大体14合以内(アルコール量にして約280g)ならアルコールによる悪影響は少ないとされています。
大切なのは1週間内のアルコール摂取の総量であり、飲酒した日数ではないんです。
つまり、適量で抑えるなら毎日飲んでも何ら問題はないんです。休肝日はいらないってわけ。
医者によっては「缶ビール1本くらいなら毎日飲んだ方が良い」なんて言う人もいるようですし。(管理人の友人何人かが健康診断で言われたそうです。)
むしろ、1週間内6日間休肝日で残りの1日でアルコール量280g(缶ビール500mlを約14本分)を消化する方が身体に悪く、精力にとってもマイナスな飲み方と言えます。