男が勃起する仕組み＆メカニズム
「男が勃起する仕組み・メカニズム・・・」なんだか中学生の保険体育のような授業ですが、ちゃんと理解している人って少ないんじゃないでしょうか？
どんな男性も中学校の時にしっかり教えられたはずなんですけど、たいていの人は「血が集まって勃起するんだろ～」ってな感じの知識だと思います。
僕も勃起について悩むまではそんな感じでした。
でも、ちゃんと勃起の仕組みを知ると、「自分がなんで勃起力が低下したのか？」「なぜ勃起が高まらないのか？」っていうのが少し見えてきます。
勃起の悩みを解決するには、まずその仕組・メカニズムを知っておけってことです！
ただし、僕はお医者様ではないので、医学的な難しい説明はしません。
医学的な難しい説明を砕けた感じで説明していきます。
男の勃起は３つの場所を経由する。
まず、勃起が成り立つには、大きく別けて3つの体の場所を経由します。
その終点が男性器（ペニス）です。これで勃起が成り立ちます。
①脳→②勃起神経→③男性器
要するに、性的興奮（エロい気持ち・性欲・精力）を①→②→③と経由させれば勝手に勃起するんです。なんにせよ、勃起をするには性的な興奮を脳が感じないといけません。
1.脳が性的興奮を感じる
視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚など５感によって「エロ～」って思ったり「うううぉぉぉおおお」っていう性的興奮が①の脳で作られて、この興奮を体のあらゆる器官に伝えてようとします。
脳が性的興奮を感じたり、大きく膨れ上がる仕組みについては、男の精力（性欲・興奮）の仕組みで詳しく説明しています。
とにかく、勃起の始まりは脳からです。
2-1.勃起神経が脳と男性を繋ぐ
①の脳で大きく膨れ上がった性的な興奮は②の勃起神経へ伝わります。
脳と男性器は直接繋がっていないので、勃起神経を伝って興奮を男性器に届けるしかありません。
勃起神経は脊髄の中に通っている神経のウチの1つで、男性器まで伸びている神経ルートが勃起神経ということです。
2-2.勃起神経には自律神経という門番がある。
勃起神経には自律神経という役所みたいなものがあって、交感神経と副交感神経という受付人がいます。
そして、その時の当番がどちらかによって勃起に大きな影響を与えます。
交感神経さんが当番であれば「ＮＯ!!これは受理できません。」と言って性的興奮を脳へ突き返してしまい、副交感神経さんが当番であれば「ＯＫ!!これは受理するぜ。」と言って次の③男性器へ性的興奮を伝えてくれるんです。
脳の興奮が勃起神経に伝わっている時に、自律神経の当番が副交感神経さんであれば、性的興奮はスムーズに男性器へ行き渡ります。
自律神経は精神に関わる神経なので、不安・プレッシャー・緊張がある時に勃起しにくいのは、その時の当番が交換神経さんっていうこと意味しているんです。
自律神経がED（心因性のED）と深い関係があるっていうのはこういう仕組みからです。
3-1.男性器に性的興奮が伝わる
無事に自律神経の門番をくぐり抜け、いよいよ男性器に性的な興奮が伝わってきました。
まずは男性器の構造を簡単に紹介します。
男性器には海綿体と呼ばれる部分があります。
海綿体はスポンジ状になっているんですけど、このスポンジに血液が吸収されることで硬くなり勃起という現象が起こります。
通常の状態だと海綿体に血液が吸収されていなから、ふにゃふにゃで小さいくなっていて、勃起状態では海綿体に血液が吸収されるためカタカチで大きくなります。
3-2.海綿体に血液が流れ込む
海綿体まで性的興奮が来ると血液中に一酸化窒素（NO）という物質が増えます。このNOが増えることで、血管が拡張して海綿体へ血液が流れやすい状況を作ってくれます。
そして、NOが増えると同時サイクリックグアノシン1リン酸（cGMP）という海綿体の入口を開けてくれる警備員のおっちゃんが現れます。
通常だと、血液が海綿体へ勝手に流れ込まないように平滑筋（臓器の筋肉みたいなもの）が入り口を引き締めているんですが、cGMPが増えることで緩めてくれるんです。
つまり、血管を広げてくれるNOさんと筋肉を緩めてくれるcGMPさんが共同してくれて海綿体へ大量の血液が流れ込ませているんです。
そして、性的な興奮が続く限りNOさんとcGMPさんは血管と海綿体の入り口を開けてくれているので、勃起が持続されるっていう仕組になります。
3-3.勃起を維持・継続する
勃起が完了すれば、次はその勃起を維持しなければなりません。その仕組みは男性器に流れる動脈と静脈が勝手に担ってくれています。
まず、通常の男性器（断面図）は以下のようになっています。
中心にある動脈は男性器の先端へ向かって一方通行で、外側にポツポツとあるの静脈は男性器の根本に向かって一方通行になっています。
通常状態では、「心臓から送られた血液が動脈によって先端まで行って、静脈によって戻ってくる」といったように循環していて、どちらの血管もしっかり機能しています。
しかし、勃起時の男性器（断面図）は以下のように静脈が機能しない状況になります。
大量の血液が流れ込んで、大きく膨れ上がった海綿体は静脈を圧迫して血液が戻る道筋を塞いでしまいます。
通常時は静脈によって男性器の血液を循環できていましたが、勃起状態になると海綿体の圧迫によって血液が循環することができなくなるんです。この原理によって勃起が維持されるんです。
つまり、性的興奮が男性期まで伝わり、NOとcGMPが海綿体の入り口を開放している限り、勃起の持続されます。
勃起が終了する仕組み
勃起してことが終わると、勃起は解除されないといけません。
基本的に男が勃起している時は自律神経の副交感神経が有利な状態になっています。
しかし、射精時には副交感神経から交感神経にカチッと切り替わります。自律神経の当番が副交感神経さんから交感神経さんに替わるんです。
それと同時に射精した後は俗にいう「賢者タイム」に突入します。男ならわかると思いますが、この時に性的興奮は一気に下がります。一気に冷めると言ってもいいでしょうね。
※賢者タイムとはネットでよく使われている、射精後の脱力状態の時間のことです。
交感神経さんに当番が替わり、一気に性的興奮が下がり、脳から性的な興奮が伝わってこなくなると、cGMPさんが仕事を終わったことに気づきます。こうなると、海綿体の入口を閉める役割の”PDE5さん”という戸締り当番が現れます。
PDE5さんが現れると海綿体のスポンジに吸収されていた血液が「ぉお？仕事終わりか!!」ってな感じで海綿体から出ていきます。
そして、PDE5さんが海綿体の入口を閉めるのです。これで無事に勃起が終了します。
朝立ち（朝起ち）の仕組み
男なら誰もが経験したことがあるであろう「朝立ち」。正式な名前は「夜間陰茎勃起現象」と言って、朝ではなく、夜間の睡眠中に起こる勃起なんです。
睡眠中は自分が勃起していることを確かめるすべがないのでわかりませんが、朝目覚めた時に夜間陰茎勃起が続いていれば、判断できるので「朝立ち」というネーミングになっているんです。
そんな朝立ちですが、睡眠時と自律神経などが関わっていて、性行為や性的興奮時に起こる勃起とは仕組みが少し異なるんです。それでは、朝立ち（夜間陰茎勃起現象）の仕組みについて詳しく紹介していきましょう。
※以下から夜間陰茎勃起現象を朝立ちと表記しています。
男は睡眠中の約20％の時間は勃起している
個人差はありますが、朝立ちは6時間睡眠で1晩あたり4～6回は起こっていると言われています。
そして、その1回の勃起継続時間が約10～15分。
これを計算すると、睡眠中の約20％は勃起しているということになります。
朝立ちはレム睡眠時に起こる現象
人間の睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠の2つがあります。
最近ではTVなんかでも紹介されているので、聞いたことがある人も多いかと思いますが、簡単に言うとレム睡眠は浅い眠り、ノンレム睡眠は深い眠りといったように同じ睡眠でも質が違うんです。
そして、朝立ちが起こっているのはレム睡眠の時です。
ちなみに、夢を見るのもレム睡眠の時で、「エロい夢を見ているから勃起するってことか！」と勘が良い人は思いますが、朝立ちと夢は関係していません。
つまり、朝立ちは性的興奮なしに勃起し、通常の勃起とは根本的な部分が違うんです。
ちなみに、人間が目覚める時はレム睡眠時が多く、朝立ちが起こりやすいタイムです。だから、朝目覚めた時に勃起していることがよくあるんです。
興奮ではなく自律神経の動きが深く関係している
性的興奮と関係なく勃起する朝立ちですが、これには自律神経を含む神経系への刺激が深く関係していると言われています。
レム睡眠時とノンレム睡眠時では分泌されている脳内神経伝達物質が異なり、色々な物質が放出されたり抑制されたりを繰り返します。その時、伝達物質やそれを運ぶ神経はかなり忙しく働いているんです。
そのため、「レム睡眠時は自律神経の嵐」と言われており、交感神経と副交感神経が頻繁に切り替わっているんです。
つまり、そういった神経への刺激が勃起神経へも伝わり勃起してしまうんです。このカラクリによって性的興奮が無くても勃起が成り立つんです。
夢精と朝立ちの関係
朝立ちに深く関わってそうな「夢精」。寝ている時に興奮度合いがMAXになり射精するわけですが、夢精は朝立ちと違い性的興奮なしにありえない現象です。
レム睡眠時は朝立ちもそうですが、夢をみやすい睡眠タイムでもあります。
つまり、性的興奮が高まる夢を見ているのと時と朝立ちが被ることで夢精が起こるんです。もちろん、性的興奮が膨れ上がる夢を見ていれば、それも勃起を誘発させる要素になります。
夢精は朝立ちの延長線上にあると思っていいでしょう。
「何のため？」朝立ちの役割
朝立ちが起こる意味、その役割は今のところ科学で証明されていません。と言っても、研究は進んでおり、研究者の中で浸透している仮説が3つあります。
- ストレスの解消
- おねしょの予防・サイン
- 勃起の試運転
この中で最も濃厚なのが「勃起の試運転」と言われており、睡眠時に勃起することで、メンテナンスをしているという考えになります。
勃起をすると、血流が男性器に流れ込み、周辺の細胞を使うことになります。これによって、生殖機能を衰えさせないという生物的反応が朝立ちの役割だとということです。
朝立ちが起こっているからを調べる方法
朝立ちはEDの検査に用いられる重要なファクターで、この検査結果を元にEDの原因を突き止めたり、治療を進めていくために用いられています。
そんな重要な資料になるため、朝立ちを検査する医療機器や方法があります。中でも、定番の調査方法2つあります。
1.スタンプテスト
朝立ちの有無を調べるための簡易の検査です。
就寝前に男性器（サオの部分）に切手のようなシートを貼り付けて、睡眠時に勃起が起こっているのかを調べる方法です。
通常時に貼りつけ、睡眠中に勃起をすれば、そのシートが切れますし、シートが切れてなければ、睡眠中に勃起していないことがわかるという単純な検査方法です。
2.リジスキャン
スタンプテストと根本的な考えは同じですが、さらに精密な検査でデータを取得できます。
※ちょっとグロいのでモザイクを掛けています。詳しく見たい人はリンク先で確認してください。
リジスキャンと呼ばれる2つのループ（輪っかの付いたコード）を男性器に巻きつけて検査します。
男性器の先端と根っこ部分の2箇所にループを付けて、周径や硬度の変化を測定するため、より正確なデータと変化が調べられるため、今のところ朝立ち調査では最も先進的な検査方法です。
射精後の無気力感「賢者タイム」の仕組み
男の射精後や性行為後の無気力感、放心状態、倦怠感など何ともいえない感覚。通称で賢者タイムなんて言われていますが、ちゃんと医学的に正式名があり「射精後不応期」と言います。
ほとんどの男が体験したことがある状態・感覚だと思いますが、管理人の経験上、自慰行為を始めだした若い時の方がこの感覚は強かったと思います。
それでは、この賢者タイムがなぜ起こり、どんな仕組みで成り立っているのかを詳しく紹介していきましょう。
賢者タイムの仕組みは明確にわかっていない。
我々、男からすれば実体験をしている賢者タイム。しかし、今の医学・科学の力を持ってしても賢者タイムの仕組みは明確に判明していません。
そんな中で、最も有力な仮説が、男性は射精した後に、色々な脳内物質が放出され、その物質により体に反応するためだと言われています。
ノルエピネフリン、セロトニン、オキシトシン、バソプレシン、一酸化窒素（NO）、プロラクチンなどが射精後には大量に放出されることがわかっており、この中の「プロラクチン」と呼ばれる脳内物質が賢者タイム突入に深く関わっていると言われています。
ホルモン物質「プロラクチン」が賢者タイムを作り出す
プロラクチンは、ドーパミンの分泌を抑制させる力があり、射精後に大量に放出されることで、急激に性欲や興奮を低下が起こったり、脱力感や放心状態といった賢者タイムでお馴染みの現象を感じるんです。
海外で発表されたプロラクチンの研究報告では、ラットにプロラクチンを注入するとすぐに疲労したという結果がでており、プロラクチンによる賢者タイム症状が深い関係にあるということが発表されています。
ちなみに、この研究では自慰行為よりも性行為での射精のほうがプロラクチンが放たれる量は4倍も多いということも報告されています。
エネルギー消費が賢者タイムを強くしている
性行為によるエネルギー消費（カロリー消費）が賢者タイム突入と関係しているという研究結果もあります。
これは射精後の賢者タイムに「ダメ押し！」というニュアンスですが、性行為もかなりのカロリーを消費しており、その消費が肉体的・精神的に大きな負担をかけているという内容です。
性行為によるエネルギー消費は、男性で101キロカロリー（4.2キロカロリー/分）。女性は69.1キロカロリーは（3.1キロカロリー/分）でした。
※原文（英文）を簡単に和訳しています。
この実験結果では、性行為を1分で4.2キロカロリー消費。30分で126キロカロリーを消費するということになります。
これを他の運動やスポーツと比較してみると、水中ウォーキングやサイクリングなどほぼ同じなんです。
この表は1時間あたりの消費カロリーですが、半分にすると30分の性行為の126カロリーと比べてみるとわかりやすいと思います。
性行為で軽い運動程度のカロリーを消費しているということなので、終わった後に疲れを感じるのも当然かと思います。特に運動不足の中年男性だと、かなり応えるかもしれませんね。。
これに加えて上記で紹介したプロラクチンなどの体内物質も放出されるわけですから、射精後の賢者タイム症状が強く出るのもよくわかると思います。
